健康診断の手引

検査の意味と検査値の読みかた、活用のしかた

身体の測定

体重略号:Wt.BW

何がわかるのか

肥満は、体の脂肪が正常以上に増えている状態で、日本人の死因の約40%を占める虚血性心疾患、脳卒中などの動脈硬化性疾患の基礎となり、さまざまな病気の発生頻度が高くなります。

肥満の大部分は、エネルギー摂取過剰による単純性肥満です。一部に、ホルモン異常などによる症候性肥満があります。単純性肥満は、初期には大きな問題となりませんが、とくにリンゴ型肥満(お腹を中心とした肥満)はメタボリックシンドロームの出発点です。

やせは、その逆で、体の脂肪や筋肉が減少した状態です。病気による体重減少以外はとくに心配ありません。

おおよその目安 ― 測定値の判定と対策

BMI判定対策
~18.4やせ原因となる病気の有無を調べます。病気がなければ、日常生活の改善が必要です。
18.5〜24.9正常体重が増減しないように注意しましょう。
25.0〜29.9過体重これ以上体重が増えないように努力します。メタボリックシンドロームの出発点でもありますから、日常生活の改善によって体重の減少に努めましょう。
30.0〜34.9肥満原因となる病気の有無を調べ、なければ日常生活の改善が必要です。合併症があれば、医師による治療をします。
35.0~過肥満医師による治療を必要とします。

肥満度判定対策
−20%以下やせ原因となる病気の有無を調べます。病気がなければ、日常生活の改善が必要です。
−19 〜 −9%軽度やせ病気がなければ、とくに心配ありません。
−10 〜 +9%正常体重が増減しないように注意します。
+10 〜 +19%軽度肥満これ以上増えないように努力します。
+20%以上肥満原因となる病気の有無を調べ、なければ日常生活の改善が必要です。

注意事項、その他

肥満度の出し方

①BMI(body mass index)による肥満度
BMIは、体脂肪量とよく相関し、病気の出現や死亡ともよく相関することから、最近多く用いられています。
算出法 BMI=体重㎏÷(身長m)2

②身長に対する標準体重
標準体重(㎏)=(身長m)2×22.0
[22.0は標準体格指数を示します。]

③標準体重からみた肥満度
身長における標準体重より何%多いのか、少ないかを示します。
肥満度(%)=(現体重㎏−標準体重㎏)÷標準体重㎏×100

④体脂肪率
機器によって異なりますが、男性25%以上、女性30%以上を肥満とします。

肥満の原因
肥満の90%以上は単純性肥満、残りはホルモン異常(糖尿病、甲状腺機能低下症など)、遺伝、脳の病気などによります。これらの病気の場合はまず病気を治すことが優先されます。

やせの原因
大部分が単純性やせで、摂取エネルギーの不足によります。他に、ホルモン異常(甲状腺機能亢進症、糖尿病、アジソン病など)、神経の病気(神経性食欲不振症など)、胃腸病などの病気があります。これらの場合は、病気を治すことから始めてください。

単純性肥満、とくにリンゴ型肥満の人はどうすればよいのか ― 日常生活上の注意

基本

①無理のない実行可能な計画を立てます。

②減量の動機、目的を明確にします。

食事療法

①月に2〜3㎏の体重減少を目標にしましょう。それには1日の摂取エネルギーを標準体重1㎏あたり20〜30㎉にします(おおよその目安は今の食事の量の3分の2をとるようにします)。
カロリーの計算は、日本糖尿病学会発行の「糖尿病治療のための食品交換表」(東京・文光堂:電話03-3813-5411で販売)を参考にしましょう。

②具体的な方法
・食事内容を記録する。
・バランスよく食べ、腹八分目とする。
・1日3食食べ、間食や夜食をとらない。
・ゆっくりと、一定の時間に、一定の場所で食べる。
・アルコールやソフトドリンクを避ける。
・パーティや宴会を避ける。
・体重表をつける。
・家族ぐるみで減量計画を立てる。

運動療法

①事前に、健康状態のチェックを医師にしてもらう(心電図、血圧など)。

②1日の運動量の目安は、「どんなライフスタイルが望ましいのか」を参照。毎日欠かさず続ける。

③具体的には
・万歩計をつけ、1日1万歩を目標にする。
・歩く習慣と立つ習慣をつける。
・いつでも、どこでも、ひとりでできる運動をする。
・全身を動かし、移動させる運動を行う。
・軽く汗ばむ程度の運動を続ける。

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