健康診断の手引

検査の意味と検査値の読みかた、活用のしかた

高脂血症の検査

中性脂肪(トリグリセリド,トリグリセライド)[血清]略号:TG

何がわかるのか

中性脂肪は、食事中の脂肪が腸で吸収され、血液中にとり入れられたもの(外因性トリグリセリド)と、いったん肝臓にとり込まれた脂肪が再び血液中に分泌された中性脂肪(内因性トリグリセリド、主に超低比重リポ蛋白;VLDLとして存在する)の両者から構成されています。検査は、通常空腹時に行うもので、後者を測ることになります。

血中の中性脂肪が高くなると、

①動脈硬化を引き起こす。

②膵炎を引き起こす。
の2つの危険があります。

血中の中性脂肪が高くなる病気には、次のものがあります。

①原発性高脂血症:遺伝や生まれつきの異常によるもので、家族に多くみられます。

②二次性高脂血症:食事(アルコール、糖分や脂肪のとり過ぎなど)によるものと、他の病気(内分泌の病気、糖尿病、肝臓病、ネフローゼ、貧血、骨髄腫など)によるものがあります。
とくに食事によるものが重要です。

血中の中性脂肪が低い低中性脂肪血症の原因も、

①原発性の生まれつきの異常。

②二次性の他の病気(肝臓病、甲状腺機能亢進症、アジソン病など)や低栄養によるもの。
があります。

おおよその目安 ― 検査値の判定と対策

値(mg/dL)判定対策

30 〜 149
正常
(軽度上昇)軽度高中性脂肪血症食事・運動療法を開始します。他に危険因子が2つ以上あれば、治療が必要です。
(中・高度上昇)中等度高中性脂肪血症食事・運動療法を確実に行い、他の危険因子が1つでもあれば薬物療法を行います。
高度高中性脂肪血症膵炎の危険性もあり、薬物療法を行います。

測定のときの注意

早朝空腹時、12〜16時間の絶食後に採血します。

年齢とともに上昇し、60歳以降再び低下します。

前日の脂肪・糖・カロリー摂取、アルコール摂取量と平行して増加します。

利尿剤や降圧剤(β–ブロッカー)の服用で高くなることがあります。

できれば数回の検査で値を決めます。

どうすればよいのか

肥満である場合は、まず肥満をとり除くことから始めます。とくに、糖尿病を合併している場合は重要となります。方法は、体重の項をみてください。1日の摂取カロリーを1,300kcalくらいにする必要があります。

肥満のない人では、1日の摂取カロリーは標準体重×(30〜35)kcalとして結構です。1日1,500〜1,800kcalくらいがよいでしょう。

食事療法の基本は、総コレステロールの項のとおりです。高中性脂肪血症でとくに重要となるのは、

①糖分の摂取を控えること。めん類、清涼飲料水、果物に注意する必要があります。

②間食は絶対にしない。

③アルコールはなるべく少なく適量とし、これも1日のカロリーに加算します。中性脂肪が500mg/dL以上の人は禁酒です。

運動療法は、総コレステロールの項をみてください。

次の人は、医師による薬物療法が必要です。

①中性脂肪が150〜299mg/dLの人で、危険因子(高齢、高コレステロール血症、喫煙、高血圧、心電図異常、肥満、糖尿病)のうち2つ以上ある人。

②中性脂肪が300〜749mg/dLで、危険因子(上述)が1つでもある人。

③中性脂肪が750mg/dL以上の人。
かかりつけの医師などに相談してください。

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