健康診断の手引

検査の意味と検査値の読みかた、活用のしかた

高脂血症の検査

HDL-コレステロール(α-リポ蛋白)[血清]

何がわかるのか

血液中のコレステロールなどの脂肪は、蛋白質と結合して存在しています。蛋白質の大きさによって、いくつかのリポ蛋白に分けられます。その中で、高比重リポ蛋白(high-density lipoprotein;HDL)とよばれるコレステロールをHDL-コレステロールといいます。

HDL-コレステロールは、動脈壁に沈着したコレステロールを再び血液中に洗い出す作用があり、そのためHDL-コレステロールを善玉コレステロールとよびます。

HDL-コレステロールが少ない(低HDL-コレステロール)と、動脈壁へのコレステロール沈着は増えることになり、動脈硬化を促進します。

低HDL-コレステロールがみられる病気には、次のものがあります。

①一次性のもの:生まれつきの異常によるもの。

②二次性のもの:脳梗塞、虚血性心疾患、腎不全、血液透析、肝硬変、糖尿病、肥満、甲状腺異常。

HDL-コレステロールを少なくするものには、喫煙、降圧剤、糖尿病の薬、男性ホルモンなどがあります。

逆に、運動、アルコール飲用、インスリンや高脂血症の治療薬は、HDL-コレステロールを多くします。あまり多すぎても逆効果となります。

おおよその目安 ― 検査値の判定と対策

値(mg/dL)判定対策
先天性の異常の疑い脂質に関する詳しい検査をします。
(低 値)二次性低HDL-コレステロール血症低下の要因を調べます。
動脈硬化の危険があり、日常生活上の注意をします。

男性:40~77
女性:40~90
正常
(上 昇)
二次性高HDL-コレステロール血症や先天性の異常(CETP欠損症)の疑い原因を調べるために詳しい検査をします。

測定のときの注意

早朝空腹時に採血します。

年齢とともに少し低くなります。

男性は女性より低くなる傾向があります。

日本人は欧米人より高めです。

どうすればよいのか

HDL-コレステロールが低い時の日常生活上の注意は、次のとおりです。

①総コレステロールの項と中性脂肪の項で述べた食事療法は、HDL-コレステロールを上げる働きとなります。

②肥満度とHDL-コレステロールは負の相関があり、肥満を解消するとHDL-コレステロールは高くなります。

③運動は、HDL-コレステロールを上昇させます。長時間、持続する運動が効果的です。

④適切なアルコール摂取は、HDL-コレステロールを上昇させます。日本酒で1日1合、ビールで1本、ウィスキーダブル1杯が適量です。

⑤喫煙は、HDL-コレステロールを下げます。禁煙により上昇します。

⑥多くの高脂血症の薬は、他の脂質を改善するとともに、HDL-コレステロールを上昇させます。

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