健康診断の手引

検査の意味と検査値の読みかた、活用のしかた

糖尿病、痛風の検査

血糖(血液中ブドウ糖)[血清]略号:BS,FBS,BZ

何がわかるのか

血液中のブドウ糖(グルコース)は、体のエネルギー源です。空腹時(FBS)および食後の値は60〜160mg/dLになるよう調節されています。
調節は主にホルモンによって行われ、食事によって血中のブドウ糖が高くなると膵臓からインスリンが分泌され、ブドウ糖を細胞にとり込んで血糖を下げます。空腹時などで低くなるとグルカゴンが膵臓から分泌され、肝臓などにためたブドウ糖を血液中に放出させます。

インスリンの分泌が悪くなると血糖は高くなり、糖尿病となります。また、分泌が異常に多くなると血糖は低くなり、低血糖となります。

糖尿病には、インスリンを分泌する膵臓のベータ細胞のウイルス感染などによる若年性のインスリン依存型糖尿病と、過栄養・運動不足・肥満と遺伝的因子による成人発症型のインスリン非依存型糖尿病があります。通常みられる糖尿病は後者です。また、太っている人ではインスリン値が高いにもかかわらず、インスリンが効きにくいために糖尿病となることがあり、これをインスリン抵抗性糖尿病とよんでいます。

糖尿病では、臓器の細胞における糖の代謝が悪くなり、種々の合併症がやがて出現します。とくに、通常の成人発症型の糖尿病は、初期には症状がほとんどなく、やがて眼底出血、腎障害、神経障害などを起こしてきて、初めて気づくこともあります。

合併症には、血管障害(脳・冠動脈硬化、眼底出血、狭心症、腎障害、足の壊疽など)、感染症、代謝異常(多尿、脱水、ケトーシス、高脂血症など)、神経障害(しびれ、自律神経障害、脳卒中など)、白内障、皮膚炎などがあります。

家系に糖尿病のある人は、とくに糖尿病の発生率が高くなりますので、日頃の検査と予防が重要です。

おおよその目安 ― 検査値の判定と対策

血糖は、食事の有無と食後の時間によって変わります。正確には、空腹時の値と75gのブドウ糖を飲んでから1時間、2時間の血糖値で判断します。 通常の食事後の判定も、ほぼ同様に行ってよいでしょう。

最近では、空腹時血糖126mg/dL以上を糖尿病としています。

静脈血漿の糖(mg/dL)判定対策
空腹時食後1時間2時間
59以下(59以下)(59以下)低血糖症原因の精査を受けます。
110未満160未満140未満正常
126以上180以上200以上糖尿病成人発症型かどうか、合併症の有無などの検査を受け、医師の治療、管理を受けます。
上記以外の場合境界型糖尿病正常と糖尿病の間を境界型糖尿病としています。原因の精査を受け、日常生活を改善し、医師の管理・指導と定期的な検査を受けます。

測定のときの注意

なるべく空腹(8時間以上)で検査を受けましょう。食事をしたときは何時間前に食事をとったかを告げてください。

前日の過食、アルコール多飲などは避けましょう。

血漿中の値は、全血中の値より10〜15%高めに出ます。判定のとき、何を使ったかよく聞いてください。

薬によって血糖が高くなったり、低くなったりします。飲んでいる薬を医師に伝えましょう。

どうすればよいのか

糖尿病

糖尿病の治療の目的は、

①適切な糖代謝の改善で、自・他覚症状をとり除くと同時に、

②やがて出現する合併症、とくに血管障害の発症や進展を予防する。
ことです。一生仲良くつき合っていくつもりで、日常生活を改善していってください。

糖尿病の進行具合は、血糖の他、血中インスリン、HbA1c、フルクトサミン、尿中の糖・アセトン体・蛋白、眼底検査、心電図などの詳しい検査を受けて決めます。

糖尿病の治療の3本柱は、

①食事療法、②運動療法、③薬物療法です。重症の糖尿病以外では、境界型糖尿病も含めて、まず、食事・運動療法を行います。

食事療法:その基本は、

①摂取総カロリーの制限。

②バランスのとれた食事。

③朝食もきちんととり、量も朝・昼・夕に適切に配分し、規則正しく定時間にとり、間食はしないようにすること。

④無理なく実行できるスケジュールを立てることです。
まず、1日の摂取総カロリーを1,200〜1,600kcalとします。具体的には糖尿病学会発行の「糖尿病治療のための食品交換表」を利用するとよいでしょう。徐々に標準体重にします。アルコールは適量とし、1日の総カロリーに入れて計算します。

運動療法:まず医師の指導を受けてから、「どんなライフスタイルが望ましいのか」の運動の項を参照して行ってください。運動は、体重減少、カロリーの消費増大、インスリンの節約、動脈硬化などの合併症の予防に役立ちます。

生活療法:糖尿病は、皮膚などの感染症や傷の悪化、指の壊疽などを起こしやすくします。清潔に心がけ、よく合った靴を履き、靴下や下着のゴムはゆるめにし、爪は深爪をしないようにして丁寧に切り、湯たんぽや熱い風呂などには気をつけるなど、生活上の注意が必要です。たばこも止めましょう。

薬物療法:薬物療法が必要な人では、医師の正しい管理を受け、自己血糖測定や自己インスリン注射などの指導を正しく受けましょう。

低血糖

血糖値が59mg/dL以下となると、空腹感、冷や汗、注意力低下、異常行動、けいれんなどを起こします。ブドウ糖をとるとすぐよくなります。

原因として、インスリノーマ(腫瘍)、治療用の薬やインスリンの過剰、胃の手術後(ダンピング症状)、肝障害などがあります。原因を詳しく調べてもらい、治療してください。とくに、治療を受けている時には注意しましょう。

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