健康診断の手引

検査の意味と検査値の読みかた、活用のしかた

肝臓の検査

総蛋白とその分画[血清]略号:TP

何がわかるのか

血液中には、アルブミン、免疫グロブリン、その他80種類の蛋白があり、体の働きに役立っています。これらの蛋白の合成異常、分解の異常、消費または漏出があると、増えたり減ったりします。

血清総蛋白の増減は次の場合にみられます。

①増加する場合:下痢、嘔吐などによる血液の濃縮、急性・慢性の炎症、悪性腫瘍、免疫グロブリンの異常。

②減少する場合:栄養不足、蛋白の漏出(火傷、ネフローゼ、腹水など)、蛋白の分解の亢進(甲状腺機能亢進症)、蛋白合成の低下(肝硬変)。

蛋白のうち、おおよそどのような蛋白の増減があるかは、分画することで知ることができます。
通常、5つの分画に分けられます。

おおよその目安 ― 検査値の判定と対策

総蛋白

標準値(g/dL)判定対策
低蛋白血症分画を検査し、何が低下しているかを調べます。
(低 値)軽度低蛋白血症他の検査結果などをみて判断します。とくに問題なければ経過をみます。

6.5~8.3
正 常
(軽度上昇)軽度高蛋白血症他の検査結果などをみて判断します。とくに問題なければ経過をみます。
(中・高度上昇)高蛋白血症体の状態、採血が食後かどうか※などをみ、再検し、必要により分画を調べます。

※測定法によっては、脂肪の影響を受けるので、食後は採血を避けてください。

分画(測定法により正常値が異なることがあります。)

分画と値(g/dL)判定と対策
アルブミン(正常値3.8~5.3g/dL,60.2~71.4%)
3.5g/dL以下
低蛋白血症。総蛋白の低下する病気(上述)を参照。
α1分画(正常値0.12~0.31g/dL,1.9~3.3%)
0.5g/dL以上
0.1g/dL以下
どこかの炎症が考えられます。よく探してもらってください。特殊な肺気腫(α-アンチトリプシン欠損)も考えられます。
α2分画(正常値0.44~0.83g/dL,5.7~9.7%)
1.0g/dL以上
0.3g/dL以下
炎症やネフローゼが考えられます。肝障害やがんも考えられます。
β分画(正常値0.40~0.71g/dL,6.9~10.7%)
0.9g/dL以上
0.4g/dL以下
貧血や妊娠でみられます。低蛋白血症を示す病気(上述)を考えてください。
γ分画(正常値0.68~1.60g/dL,10.5~20.3%)
2.0g/dL以上
0.6g/dL以下
慢性肝炎、肝硬変、慢性炎症、リンパ腫、がんなどが考えられます。免疫不全が考えられます。

測定のときの注意

なるべく早朝空腹時に採血してください。

検査値は、実際の量(g/dL)と全体の中の割合(%)の両方の表し方があります。

どうすればよいのか

これらの値はおおよその状態を知ることができます。この結果から、必要に応じて種々の詳しい検査をします。少しくらいの変動は気にすることはありません。

必要に応じて、詳しく調べてもらってください。

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