健康診断の手引

検査の意味と検査値の読みかた、活用のしかた

貧血の検査

血清鉄略号:Sl,Fe

何がわかるのか

鉄は赤血球中のヘモグロビンなどに含まれ、重要な働きをしています。体は常に鉄を必要とし、血液中に一定量を含んでいるようになっています。

鉄の摂取不足が続いたり、出血(生理も含む)量が増えますと、体の中の鉄分が不足し、血清中の量が減少してきます。

血清鉄の低下が示す病気には、次のものがあります。

①鉄欠乏性貧血

②悪性腫瘍、慢性炎症、慢性関節リウマチ、慢性腎不全

③妊娠
女性では生理による①が最も多く、男性では消化管出血や痔の出血による①が多くみられます。

血清鉄が増加する病気には、鉄が利用されない貧血(再生不良性貧血など)、溶血性貧血、ヘモクロマトーシス、慢性アルコール症、肝硬変などがあります。とくに、アルコール摂取過剰とそれによる肝障害で多くみられます。

おおよその目安 ― 検査値の判定と対策

標準値(μg/dL)判定対策
明らかな鉄欠乏原因を調べ、貧血があれば鉄剤を服用します。
軽度鉄欠乏貧血の有無、症状などと合わせて経過をみるか、治療をします。もちろん、原因も調べます。
男性:58~188
女性:48~170
正常
鉄過剰症必要により特殊な病気(ヘモクロマトーシス、特殊な貧血など)の有無を調べます。他に異常がなければ経過をみます。

測定のときの注意

血清鉄は、次の場合に変動します。

①朝方に高く、夕方に低くなる傾向があります。

②食事、運動などはあまり影響しません。

③妊娠中は低めとなります。

④経口避妊薬を服用していると高めとなります。

⑤アルコール多飲者では、高めとなることがあります。

⑥高齢者では低めとなることがあります。

どうすればよいのか

血清鉄が低値で貧血があれば、原因を調べましょう。とくに男性では、消化管の潰瘍やがんであることもあります。

大きな病気がなく、摂取不足がみられる場合は、鉄分の多い食物(赤身の肉や魚、ほうれん草、レバー、ひじきなど)を多くとってください。著しい低下で著しい貧血がある場合は、鉄剤を処方してもらってください。

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