健康診断の手引

検査の意味と検査値の読みかた、活用のしかた

循環器の検査

動脈硬化度検査(血圧脈波測定)略号:CAVI

何がわかるのか

心臓から出た血液はまず大動脈に流れ出ますが、流れ出た血液によって動脈は大きくふくらみ、ついで速やかにしなやかに収縮し、血圧と相まって血液を先に送り出していきます。

動脈硬化があると、血管は決して大きくふくらまず、また速やかにしなやかには収縮しません。
このしなやかさ・硬さの程度を測定して、血管機能からみた動脈硬化度をみる検査です。

このしなやかさ・硬さの程度には血圧が大きく関係します。若い血管でも血圧が上がれば血管は緊張して仮の硬さを示しますし、動脈硬化があれば血液を十分に送り出すために、血圧を上げて実際の血管の硬さより柔らかな血管のようにふるまいます。血圧などに影響されない、真の血管のしなやかさ・硬さを知ることができる検査法を選び、正しく受けてください。

おおよその目安 ― 検査値の判定と対策

人の血管は加齢とともに硬くなります。これを生理的老化といいます。一方、動脈硬化を促進する病気(高血圧や糖尿病、高脂血症、腎障害など)や動脈硬化による病気(脳梗塞や狭心症、心筋梗塞など)を起こした人にはすでに動脈硬化があり、これを病的な老化といいます。この2つを分けて後者を評価します。

動脈硬化を促進する病気や動脈硬化による病気を持たない健康な人達の値を求め、これと対比することで、同年齢の人達よりも若くしなやかな血管だとか、同年齢の人達と同じ血管の硬さだとか、実年齢よりも年取った硬い血管などと血管年齢を評価することができます。

健常者分布巾 判定対策
年代男性女性
20歳代〜7.3〜7.2健常者より高値なほど、脳・心血管の動脈硬化が進んでいます。生活習慣の改善に努めましょう。
動脈硬化の精密検査を受けましょう。
糖尿病、高血圧、脂質異常症、脳・心血管の動脈硬化の治療、進展防止を実践しましょう。
30歳代〜7.8〜7.6
40歳代〜8.3〜8.0
50歳代〜8.9〜8.6
60歳代〜9.4〜9.1
70歳代〜10.3〜9.6

測定のときの注意

血管機能の検査は、交感神経の緊張などによって変動することがあります。 測定のときは、安静にして落ち着いたところで測りましょう。

検査法には、大動脈から膝あるいは足首までの血管の動脈硬化を測定する検査法(CAVI)があります。

どうすればよいのか ― 日常生活上の注意

動脈硬化は、大動脈に始まって脳動脈、冠動脈、腎動脈へと進展するのが一般的であることが分かっています。脳や冠(心臓を養っている血管)、腎臓など大切な臓器の動脈硬化が起きる前に、大動脈の段階で動脈硬化の程度を知ることは、各臓器の動脈硬化、ひいては脳梗塞や虚血性心疾患の発症を予防するのに猶予が与えられます。ゆっくりと着実な生活習慣の改善に努めてください。

同年齢の健常者より高値の場合、それだけ動脈硬化が進んでいます。動脈硬化を促進する糖尿病や高血圧などが合併しないように、日常の生活習慣を是正("どんなライフスタイルが望ましいのか"の項を参照)してください。また、糖尿病や高血圧、脳血管疾患や狭心症・心筋梗塞などで治療している人は医師に相談し、また正しく受療しましょう。

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