健康診断の手引

検査の意味と検査値の読みかた、活用のしかた

循環器の検査

眼底検査

何がわかるのか

眼底検査の目的には、次のものがあります。

①眼底の動静脈の変化から、全身の動脈硬化や高血圧による血管の変化などをみることができます。

②糖尿病、腎臓病、脳腫瘍など、全身の病気の変化が眼底に現れますので、病気の発見や病気の進行具合をみます。

③眼の病気の発見。

眼底検査は、小さな穴から全身をみているようなもので、病気の発見や予防のきっかけとなりますから、おろそかにしないでください。

おおよその目安 ― 検査値の判定と対策

多くは、シャイエ(Scheie)分類法という判定法が使われ、高血圧による眼底動脈などの変化と動脈硬化による眼底動脈などの変化を分けて判定します。

Sheie分類所見判定と対策
高血圧性変化(H所見)0 度正常
1 度細動脈反射が亢進し、軽い動静脈交叉現象がみられる。軽い動脈硬化を認め、予防のため日常生活に注意。
2 度反射が亢進し、交叉現象も著明。細動脈の狭細あり。中等度の動脈硬化を認め、臓器の対策も十分に。
3 度さらに出血や白斑がみられ、交叉現象も著明。かなり進んだ高血圧や動脈硬化の変化。医師の管理・治療が必要です。
4 度さらに網膜浮腫や乳頭浮腫が加わる。きわめて進んだ高血圧と動脈硬化の病変。強力な治療が必要です。
動脈硬化性変化(S所見)0 度 正常
1 度細動脈反射が亢進し、軽い動静脈交叉現象がみられます。軽い動脈硬化を認め、予防のため日常生活に注意。
2 度細動脈の反射が亢進し、交叉現象も強い。中等度の動脈硬化を認め、臓器に対する対策も十分に。
3 度さらに交叉現象が顕著。かなり進んだ動脈硬化の変化です。医師の管理・治療が必要です。
4 度さらに交叉現象が顕著。きわめて進んだ動脈硬化の病変です。強力な治療が必要です。

その他の主な眼科的所見の意味と対策は、次のとおりです。

所見名所見説明対策
出 血高血圧・糖尿病などの全身疾患により、出血をおこすことがあります。糖尿病や高血圧などでみられるため再検査が必要です。
白 斑高血圧・糖尿病などの全身疾患や他の眼科的疾患で数多くおこります。
網脈絡膜萎縮いろいろな眼科的疾患に続発しておこり、皮膚でいえば傷跡ともいえ、古いものは放置してもよい所見です。とくに心配ありません。
動脈閉塞動脈のけいれんがしばしばおこる間に動脈が閉塞状態となります。眼科にて詳しい検査をします。
毛細血管瘤
(小動脈瘤)
網膜の循環障害があれば、どの疾患でも見られますが、とくに糖尿病では初期からおこります。
他の網膜静脈閉塞・緑内障・白内障・白血病・脈なし病・ぶどう膜炎でもおこります。
乳頭浮腫眼科的疾患の他に、脳内疾患・全身疾患によることが多い所見です。
網膜浮腫眼底のいわゆる「むくみ」をいい、血行障害によっておこります。
視神経萎縮1つの独立した疾患ではなく、いろいろな網膜疾患や視神経疾患の結果としておこります。
静脈閉塞静脈の閉塞に由来する網膜の出血をいいます。
透光体混濁の疑い眼球の表面から眼底までのどこかに濁り(角膜混濁・硝子体混濁・白内障等)がある場合をいいます。
黄斑部病変眼底の中心部に病変を認め、視力・視野に直接影響することがあります。
視神経乳頭陥凹緑内障の初期変化である場合もあります。念のため、眼科にて詳しい検査をします。
視神経乳頭辺縁部出血
網膜神経線維層欠損
その他の障害その他、いろいろな眼科的疾患を含みます。

測定のときの注意

コンタクトレンズは外すか、はめていることを報告しましょう。

どうすればよいのか

種々の結果が報告されます。指示にしたがい、眼科で詳しく調べてもらったり、全身の病気の有無について内科で調べてもらいましょう。また、動脈硬化などの予防について日常生活上の注意を守りましょう(血圧の項、高脂血症の項、糖尿病の項を参照)。

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