健康診断の手引

検査の意味と検査値の読みかた、活用のしかた

メタボリックシンドローム(代謝性症候群)の検査

何がわかるのか

成人病や生活習慣病である肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症は、いずれも関連しており、ある特定の人に集中してみられることから、かつてはシンドロームXとか"死の四重奏(高血圧、耐糖能異常、上半身肥満、高中性脂肪血)"などとよばれていましたが、1999年WHOがこれらを"メタボリックシンドローム"と命名しました。

メタボリックシンドロームの重要な問題は、肥満・高血圧・糖尿病・高脂血症が多く集積してくると、心電図の虚血性変化や眼底の動脈硬化性変化を合併する人が多く、虚血性心疾患など動脈硬化性疾患の発症率も、上記4つの要因を1つも持たない人の30倍にも高まることです。

日本でも、米国でも、成人4人のうち1人にみられるとされています。

肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症とも、生活習慣が大きく影響し、予防が可能だということです。そこで、単に高血圧のみに注目するのでなく、常に他の肥満、糖尿病、高脂血症の管理と予防を一緒に行うことが大切であることを示しています。

したがって、これからの成人のすべての健康障害とその管理の対象となるものです。

古代の人が生存するために獲得した進化遺伝子(倹約遺伝子ともよばれる)が大きく関与しています。女性は飢餓からのがれるため簡単に消費できないエネルギーとして皮下脂肪をたくわえるようになり、男性は生きのびるための狩猟などにすぐエネルギーとして使えるよう腹腔内に脂肪をためられるようになりました。しかし、現代人はエネルギー消費量が低下(車の普及、交通網の発達、仕事のオートメション化・電子化、家事の電化等)した上に豊富な食物のある環境が、逆にメタボリックシンドロームとして悪影響を起こしているとされています。

診断基準とおおよその目安 ― 検査とその値の判定と対策

日本内科学会による診断基準(2004年)は次のとおりです。

1.リンゴ型肥満(内臓脂肪蓄積)
男…腹囲85㎝以上
女…腹囲90㎝以上
(内臓脂肪面積100㎠以上に相当する)

2.上記に加えて下のうち、1つある人は予備群、
2つ以上ある人はメタボリックシンドロームとなります。

①高中性脂肪血症(150mg/dL以上)かつ/または低HDLコレステロール血症(40mg/dL未満)

②高血圧(収縮期血圧130mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上)

③高血糖( 空腹時血糖110mg/dL以上またはHbA1c5.5%以上)

注意事項その他

血圧、血糖、HbA1c、中性脂肪および腹囲についてはそれぞれの項をみてください。
すべての項目が満足する注意事項を守ってください。

どうすればよいのか

それぞれの項目を参照してください。いずれにしても、個々の項目について同時に対策を立てる必要があります。また、治療はそれぞれの項目ないしはすべての項目について必要により実施します。

日常生活上の注意は、生活習慣病と同じです。
"どんなライフスタイルが望ましいのか"の項を十分理解して実践してください。

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