健康診断の手引

検査の意味と検査値の読みかた、活用のしかた

腹部の検査

便潜血反応[便]略号:SOcB,SOB

何がわかるのか

食道から肛門までの間の出血の有無を調べる方法です。

便の潜血反応が陽性となる病気には、次のものがあります。

①食道:静脈瘤、食道潰瘍、食道がん

②胃:胃潰瘍、胃がん、出血性胃炎

③十二指腸:潰瘍

④小腸:潰瘍、クローン病、肉腫

⑤大腸:大腸がん、ポリープ、潰瘍性大腸炎、クローン病、憩室炎

⑥肛門:痔核、痔瘻
この中でも、とくに大腸がん、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎など大腸の病気が多くみられます。

食道から十二指腸くらいまでの出血では、便は黒くなります(タール便)。赤色の血便はそれ以下の下部消化管の出血を示しています。

便の潜血反応が陽性となるためには、ある程度の出血が必要ですが、肉眼で見分けはまったくできません。

かつては、化学反応による検査が用いられ、肉や魚、野菜などの制限が必要で、反応も感度が低かったのですが、最近では人のヘモグロビンに反応する免疫学的方法が用いられるようになり、採便も簡単になりました。

免疫法でも早期の大腸がんで50%、進行がんでも1回の検査では陰性のことがありますので、通常2回法(2日間の便を調べる)が用いられます。

おおよその目安 ― 検査値の判定と対策

結果判定対策
(−)陰 性2日法で3〜6か月ごとに検査しましょう。
(±)半陽性念のため、もう一度、2日法で調べ、その後3か月ごとに調べましょう。
できれば精査を受けます。
(+)陽 性直腸指診、直腸鏡、大腸ファイバースコープ、注腸造影などの検査を受けましょう。大腸に出血源がない場合、胃・十二指腸の検査をします。

検査のときの注意

食事などに注意する必要はありません。

明らかに痔のある場合は、便は後のほうの、中の便を採取するとよいでしょう。もちろん、痔の診察を受けてください。ときに直腸がんのこともあります。

通常、2日間の便を各々調べます(2日法)。

採便法などは簡単ですので、くり返し調べることが大切です。がんでは常に陽性になり、潰瘍では陽性と陰性をくり返す傾向があります。

便の潜血が陽性の人で、大腸がんがあった人は1,000人に1人くらいの割合です。

便に潜血があり、症状がある場合は、すぐに精検を受けてください。便の潜血反応はあくまでもスクリーニングのための検査です。

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